導入事例

株式会社fonfun様

ハイブリッド構成でお客様への影響を最小限に 検討開始から移行完了まで半年で実現したオンプレミス環境からのクラウド移行

導入事例

ハイブリッド構成でお客様への影響を最小限に 検討開始から移行完了まで半年で実現した オンプレミス環境からのクラウド移行

株式会社fonfun

株式会社fonfun様は、開発から導入、運用まで一貫した技術サポートでクライアント企業のデジタルトランスフォーメーション推進を支援する「DXソリューション」事業、多分野にわたるSaaSプロダクトを通じて、企業の業務効率化・ビジネスプロセスの最適化を支援する「クラウドソリューション」事業を展開されています。

このたび、クラウドソリューション事業で提供されているリモートソリューションサービスの一部をオンプレミス環境(以下、オンプレ)からクラウド環境に移行されました。

クラウド移行を検討された経緯や実際の移行作業でのご様子などを、クラウドソリューション本部 第1プロダクト部 部長 岩﨑 健 氏とDXソリューション本部 企画開発部 中野 紋子 氏にお話を伺いました。

【国内最大級の国産パブリッククラウド】IDCFクラウド

特定の技術者への依存・コスト最適化など、見えてきたオンプレでの課題

御社のサービスについて教えてください

リモートソリューションサービスは、働き方の多様化をセキュアな環境でサポートするサービスで、作業の効率化、セキュリティの強化など安全・快適にリモートワークが行える環境を提供しています。
業界・業種を問わず多くの法人様にご利用いただいており、登録ユーザーは数万件となります。

サービスを提供される上で、大切にされていることを教えてください

サービスの特性上、24時間365日、常時サーバーへのアクセスがあるため安定稼働が最優先です。
またセキュリティ強化のためにサービスを利用するお客様も多くいらっしゃるので、運用実績20年のノウハウを活かして安全・安心な環境を提供できるようにチューニングを行っています。

オンプレからクラウドへの移行を検討されたきっかけを教えてください

利用ユーザー数の変化に合わせたサービスインフラの最適化や、機器・設備の維持管理コスト、機器のサポート・保守にかかる社内リソースの確保などが課題となっていました。また、機器の障害などで現地での対応が必要となった場合に、特定の技術者への依存度が高い上に拘束時間が長くなるケースが多く、本来の業務に影響が出るという課題もありました。
これらの課題を解決するためにオンプレからクラウド環境への移行をしてはどうかという意見が出ていましたが、移行のための社内リソースの確保をはじめとした様々な社内の事情があり、クラウド移行は進んでいませんでした。

【国内最大級の国産パブリッククラウド】IDCFクラウド

課題の「見える化」で社内の不安を解消し、クラウド移行を推進

クラウドへの移行は、どのように計画されましたか?

以前から課題となっていた利用ユーザーの環境変化がさらに加速したことでインフラ環境の最適化を行う必要が生じたことと、オンプレで利用しているサーバー機器のサポート保守期限が迫っていたため、早急にインフラ環境の見直しが必要となりました。
このことがきっかけで、本格的にクラウドへの移行を進めることになりました。

リモートソリューションサービスは多くの法人のお客様にご利用いただいています。 インフラ環境を変更することで、サービスをご利用いただいているお客様にも切り替え作業などでご負担をおかけすることが想定されましたので、サービス停止を最低限にとどめること、お客様の作業負担が最小限であることを軸として、いままで通り安心してサービスをご利用いただけるような移行計画を立てる必要がありました。

クラウドへの移行について、御社内での反応はいかがでしたか?

社内では「移行作業の社内リソースは確保できるのか」「クラウド移行の効果をどう図るのか」「そもそもサービスが現状と同じように動くのか」など様々な不安な声がありましたが、エンジニアだけでなく社内の関係部門を巻き込みながら、課題を見える化し、ひとつずつクリアにしていきました。

経営層にも中長期的なコスト計画や運用負荷軽減など、オンプレからクラウドに移行することで得られる効果などの説明を行い、社内承認がされ、本格的にクラウド移行を進めていくことに決まりました。

DCとクラウドのハイブリッド構成でお客様への影響を最小限に

クラウドへの移行に際し、懸念されていた点はありますか?

計画時に懸念していたお客様への影響ですが、もともとオンプレとしてIDCフロンティアの有明データセンター(以下、有明DC)を利用していたので、IDCフロンティアの担当営業(以下、IDCF担当営業)と担当セールスエンジニア(以下、IDCF担当SE)に相談しました。
必要最低限のインフラ環境を有明DCに残し、残りをIDCFクラウドに移行、さらに有明DCとIDCFクラウド間をプライベートコネクト(閉域網接続)で接続する構成を提案いただきました。この構成では、今までオンプレで運用していたサービス構成をほぼそのままクラウドで運用ができ、さらにはご利用者様へのサービス影響も最小限に抑えることができることが分かりました。

また、長年運用しているサービスのため、移行するファイル数が多く、移行にどの程度の時間がかかるか不安でした。インターネット経由では、データの移行に2~3日要することも考えられました。

今回は、有明DCとIDCFクラウドをプライベートコネクトの閉域網で直接つなぐことが出来たため、数時間でファイルデータの移行が終わり、クラウドへの移行がスムーズに進みました。

クラウドへの移行時に苦労された点を教えてください。

オンプレで運用していた機器と、IDCFクラウドのOS、アーキテクチャのバージョンが違うため、システムのバージョンアップ対応が必要でした。また、クラウドへの移行に伴い、複雑だったシステム構成を可能な限りシンプルにできるようにシステム構成を再検討しました。

さらに、セキュリティ要件を担保するための設計を工夫しました。
今まではネットワーク機器をコアとして設定を行っていましたが、クラウド環境ではネットワーク機器に頼らずにどうやってセキュリティレベルを担保するかを検討しました。実際には、IDCFクラウドで標準で提供されている仮想ルーターインフィニットLB(ILB)上でルーティングを工夫し、セキュリティレベルに応じて外部通信/内部通信を細かく制御しています。設定時にはIDCFクラウドのサポートセンターにもアドバイスをもらい、標準の仮想ルーターで実現できない部分は、仮想マシン上で制御するような設定にすることで、セキュリティ要件を担保することが出来ました。

加えて、サービス品質を落とさないために動作テストの時間を多くとりました。テスト項目は1,000個以上となりましたが、自動化できない項目も多くすべて手作業でテストを行いました。時間はかかりましたが、お客様に安定したサービスを継続して提供するために、納得いくまでテストを実施できてよかったです。

クラウド移行について、検討から移行完了までどのくらいで対応されましたか?

約半年でクラウドへの移行ができました。
移行にともなう工数、スケジュールを明確にして集中して移行作業に取り組めたのが大きかったと思います。
なにより、社内のプロジェクトメンバーが、クラウド移行に不安はありながらも前向きに取り組んでくれたので、スムーズに進めることができました。

クラウドへの移行でトータルコストを削減

IDCFクラウドを採用する際に、決め手となったポイントはありますか?

1つ目はコスト面です。想定していたサービス構成で、海外クラウドの見積もりとも比較しましたが、IDCFクラウドのほうが安く、また国産クラウドなので円安の為替相場の影響を受けないというメリットがありました。
2つ目は、他サービスでIDCFクラウドを利用しているのですが、障害が少なく安定稼働の実績がある点です。
3つ目は、有明DCとIDCFクラウドとのハイブリッド構成にすることで、お客様への影響が最小限にできる点です。これが一番の決め手だったと思います。
また、IDCFクラウドでは日本語でのサポートが受けられる点も大きかったです。

IDCFクラウドのおすすめポイントがあれば教えてください

本番環境と検証環境を分けて構築する必要があるのですが、IDCFクラウドの場合、検証環境の仮想マシンのプランを個別に変更したり、インフィニットLBの開発用プランを利用したりすることで、検証環境のランニングコストを抑えられるのがとてもいいですね。

IDCFクラウドは、なにより障害が少なく安定稼働しているところです。
また、サポートも充実しており、問い合わせをしても迅速に的確な回答が返ってくるので移行作業時にもお世話になりました。
加えて、困ったときにすぐに相談できるIDCF担当営業とIDCF担当SEがいてくれ、こちらの要望にあわせて提案いただけることも心強く、助かっています。

最後に、今後の展望について教えてください

お客様の要望にあわせて、サービス構成などを拡張していければと思います。
また、他のサービスについてもクラウドへの移行を進めていければと思っています。

本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。

【国内最大級の国産パブリッククラウド】IDCFクラウド

株式会社fonfun

株式会社fonfun(フォンファン)
東証スタンダード 証券コード 2323

設立
1997年3月3日
所在地
東京都渋谷区笹塚2-1-6 JMFビル笹塚01 6階
事業内容
ソフトウェア開発事業を中心とするDXソリューション事業、SaaSや自社プロダクトの運営を行うクラウドソリューション事業を展開
URL
https://www.fonfun.co.jp/新規ウィンドウを開きます

※掲載内容は、本事例の掲載日時点の情報です。
※記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

2025年3月26日掲載

2025年03月26日掲載