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Google Chromeの警告表示の効果もあってか、2017年は世界中の多数のWebサイトが常時SSLに対応してきました。
ただ、常時SSL化したというWebサイトでも、「http://」から始まるURLでアクセスすると、暗号化されていないHTTP接続でそのままアクセスできてしまうものも存在します。
リンク元が「http://」のURLになっていたら、利用者側が気付かずに暗号化のないHTTPで接続してしまっているケースも考えられます。
今回は、そんな時に便利な「HTTPS Everywhere」について解説します。
「HTTPS Everywhere」の概要
「HTTPS Everywhere」はGoogle Chrome、FirefoxなどのWebブラウザの拡張機能(アドオン)として、電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation)から提供されています。
※ 本ページではGoogle Chromeの画面でご案内します。他のWebブラウザは適宜読み替えてください。
※ 拡張機能(アドオン)のインストール手順は、Webブラウザの公式サイトなどをご参照ください。
この拡張機能をインストール/有効化しておくと、閲覧するWebサイトが「HTTP」と「HTTPS」の両方のプロトコルを利用している場合、自動的にHTTPSで通信して暗号化に対応してくれます。
ただし、HTTPSに対応しておらずHTTP接続しか利用できないWebサイトや、HTTPSの実装に問題がある場合は、「HTTPS Everywhere」が修正するわけではありません。
「HTTPS Everywhere」の基本動作
何も設定しなくても自動的に暗号化の判断をしてくれるのは、以下のルールにあらかじめ登録されているWebサイト(ドメイン名)が対象となります。
このドメイン名は解析タグなど、外からは見えず内部的に利用されている部分にも有効です。
Webサイト自体が登録されていなくても、解析タグなどのドメイン名が登録されていれば、内部的には「HTTPS Everywhere」で自動的にHTTPSで通信します。
「HTTPS Everywhere」を有効にした状態でWebサイトを閲覧すると、登録されているドメイン名に該当する数が表示されます。
「HTTPS Everywhere」の追加設定など
ルールに登録されていないWebサイトでもHTTPSへの接続を強制したい場合は、「すべての非暗号化リクエストをブロック」にチェックを入れることで対応可能です。
この項目を設定すると「HTTPS Everywhere」のマークが赤色になり、HTTPSに対応していないWebサイトの場合は、接続すらできません。
また、解析タグなどのソースコードに「http://」のURLが明記してあると、その接続は行われずに機能が利用できないケースがあります。
なお、よく使うWebサイトのドメイン名は、「このサイトへのルールの追加」のメニューから自分で新しいルールを追加することが可能です。
「HTTPS Everywhere」を利用する意味とは
『WPA2の脆弱性「KRACK」対策で常時SSLサイトがますます選ばれる』でご紹介したように、安全な通信経路だと思っていたものが、ある日突然危険にさらされることがあります。
でも「HTTPS Everywhere」を利用しておけば、自前でとりあえず最低限の安全は確保することが可能です。
今後、常時SSL化が世界的に進み、いずれ「HTTPS Everywhere」のような機能も不要になるでしょうが、それまでは自衛策として有効活用してはいかがでしょうか。
この記事のポイント
- ブラウザの判断で常時SSL化が可能になるので、最低限の安全は確保できる
- 将来的に常時SSL化が進行すると不要になるが、それまでの自衛策として有効