サプライヤー倫理行動規範
当社は、環境・社会・経済のバランスを保ち、持続可能な発展に寄与するために、あらゆる利害関係者(株主、従業員、お客さま、ビジネスパートナーおよびサプライヤー、行政)との間の活動および取引において「企業の社会的責任」(CSR)の視点を基盤とした自主的な取り組みを行うとともに、サプライ・チェーン上にいる利害関係者に対してもCSRの視点に基づいた取り組みをお願いしてきました。
本来、CSRは各企業が自主的に取り組むものですが、安全で信頼性が高く、価値の高い製品やサービスをお客さまに提供するためには、当社のサプライ・チェーン上にいるビジネスパートナーおよびサプライヤーの皆さまのご協力が不可欠です。 この考えの下、当社ではこの規範に対する皆さまの積極的な取り組みをお願いするために「サプライヤー倫理行動規範」を定めています。 この規範の履行に当たっては、ビジネスパートナーおよびサプライヤーの皆さまの自社内だけでなく、ご自身のサプライヤーも包含した取り組みとしていただくこともお願いしています。
遵守していただきたい事項
1. 環境への配慮
- 有限の資源(例えばエネルギー、水、原材料)が使用される際の効率性を積極的に向上させる取り組みを行うこと。
- 環境に対して有害な排出物の放出を極小化し、環境汚染の防止に努めるために適切な管理上、実行上、かつ技術上の抑制手段を設けること。
- 温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガス等)の排出量削減を含む気候変動に配慮した取り組みを推進すること。
- 生物多様性への影響に配慮した事業活動を行うこと。
- 積極的な廃棄物の回収・リサイクル活動への取り組みにより、循環型社会の構築に寄与すること。また、事業活動から排出されるあらゆる廃棄物に関して関連する法令を遵守し、排出者責任を全うすること。
- 環境に与える影響を低減するため、環境に配慮した製品やサービスを開発・提供する取り組みを推進すること。
2. 情報セキュリティ
- 自社、顧客、第三者の個人情報を厳密に管理・保護すること。
- ビジネス上で知り得た相手方の機密情報を厳密に管理するとともに、許可なく第三者に漏らさないこと。
- コンピューターウイルス等のネットワーク上のリスクや脅威を防御し、影響を拡大させない策を講じること。
3. 公正な競争
- 従業員へ、あるいは従業員や組織からの不適切な金銭の供与を含む、いかなる形態の贈賄行為も行わないこと。
- 独占禁止法、下請法など公正な取引に関する法令を遵守すること。
- 当社との取引において、自社、あるいは自社のサプライヤーの役員や主要株主に、当社の役員、あるいは従業員またはその家族がいる場合は、当社に報告すること。
4. 品質・安全性の確保
- 法令等で定める安全基準を満たした製品を供給すること。
- 品質保証システムを構築して厳格に運用すること。
- 製品・サービスに関する正確な情報を提供すること。
- 一般社会やユーザーが求める品質や機能を理解し、その期待に応える製品を供給すること。
- 通信ネットワークの維持や通信品質の向上に寄与する製品・サービスの提供に努めること。
5. 人権への配慮
- 国際的な人権の原則*1に従い、サービス・製品・事業活動全てにおいて自らが差別や人権侵害に関与しないよう努めること。
6. 労働安全衛生
- 国際的な基準および法令に従い、健康的で安全な労働環境が従業員に提供されること。
- 安全衛生が適切に確保された生活環境が従業員に提供されること。
- 従業員に対し、安全および衛生に関する適切な情報および訓練を提供するとともに、労働災害の発生時には適正な支援を行うこと。
7. 児童労働の禁止
- 法律で認められる就労年齢未満の者は雇用しないこと。
8. 強制労働の禁止
- 強制的、拘束的、または隷属的な労働は行わず、かつ従業員は合理的な通知期間をもって自由に退職することができること。
9. 差別、非人道的な扱いの禁止
- あらゆる差別をなくすこと。また、公平の実現に努めること。
- 従業員は尊敬と威厳をもって扱われ、肉体的または言葉による虐待、または他の嫌がらせ、脅迫、いかなる形態での威嚇が行われないこと。
10. 労働時間
- 従業員の労働時間については、法令遵守はもとより、過剰な労働時間の削減に努めること。
- 職種、職務および労働を行う国の事情により、妥当な労働時間数について考慮すること。
11. 公正な支払い
- 従業員が自らの雇用条件を理解しており、公正かつ合理的な賃金の支払いと条件が提供されていること。
- 従業員が労働を行う国における法定最低賃金を超える生活資金を確保できること。
12. 結社の自由
- 従業員が、法令に基づき自由に結社するまたは結社しない権利や団体交渉の権利を尊重すること。
13. 責任ある鉱物調達
- 製品に含まれるタンタル、スズ、タングステン、および金が、コンゴ民主共和国およびその周辺諸国において人権侵害を行う反政府勢力の資金源となっていないこと。
14. 地域社会との共生
- 地域社会との共生に向けた社会貢献への取り組みを推進すること。
[注]
*1 「世界人権宣言」「国連ビジネスと人権に関する指導原則」「子どもの権利とビジネス原則」「ILO宣言の中核8条約上の基本原則」を指します。
実施細則
1. コミュニケーションならびに周知徹底
- 当社は、社内およびサプライヤーを含む社外の利害関係者に対して、本サプライヤー倫理行動規範の内容を説明し、その遵守を促進します。
- 本規範を遵守するため、関係者全員へ本規範の周知を徹底するとともに、自らのサプライヤーにも本規範を促進するよう、全ての合理的な努力を払うことを要望します。
2. 適用範囲
- 自らが事業を行う全ての国において、関連法規、規則、基準を遵守することを要望します。
- 本規範または本規範と類似した行動規範の履行に当たり、当社と共に協調的に作業することを要望します。
- 当社が本規範の履行状況の評価を行うという目的のため、当社に対し関連する全ての情報を適時・適法・適正に開示することを要望します。
- 各サプライヤーが、自らのサプライヤーにも同様の内容を履行させるための合理的な努力を払うことを要望します。
3. 是正措置
- 本規範の基準を満たさない行為を特定し、遅滞なく是正することを要望します。
- 本規範に関する重大な違反があった場合には、直ちに是正措置の実施計画を添えて当社に報告するとともに、早急に是正措置に取り組むことを要望します。
- 本規範の重大な違反が是正されない場合、当社は当該サプライヤーとの商業取引の終了を検討することがあります。
4. 監視と報告
- 当社およびサプライヤーは、従業員および他の利害関係者が、本規範の違反もしくは潜在的な違反の可能性を報告できるよう、秘匿性のある手段の提供に対し合理的な努力を払うものとします。