WebサイトをまるごとHTTPS化(常時SSL化)するサイトが増えています。うちのネットショップは、お問合せやショッピングカートが https:// だから、常時SSL化は後回しでも大丈夫!と思っていませんか?今回は、ECサイト、ネットショップの常時SSLの必要性について考えていきたいと思います。
ブラウザのアドレスバーの警告表示でお客さんが逃げるかも!?
昨年末くらいから、ブラウザのアドレスバーに「保護された通信」「保護されていません」というメッセージが表示されるようになっているのをご存知でしょうか。安全なサイトかどうかが一目でわかるよう警告が表示されているのですが、その警告対象が段階的に広がっています。Googleは2017年10月にリリース予定のChromeの新バージョンで、検索欄などを含む全ての入力欄を持つ http:// ページに、”安全ではない“と警告表示すると発表しました。
つまり、カートやお問合せページだけでなく、カタログページが https:// になっていないと、ネットショップのトップページのアドレスバーに”安全ではない“と表示されてしまうのです。いつも利用しているネットショップだったとしても、そんな表示が出たら、買うのをためらってしまいますね。
過去記事:アドレスバーに「保護されていません」がでるのはどんな時?
アクセス解析の精度が落ちて、どのページから来たのかわからなくなる
常時SSL対応するサイトはどんどん増えていて、今年に入ってヤフーをはじめ大手のニュースサイトも常時SSLに対応しています。一方、インターネットでは、HTTPSサイトからHTTPサイトへはリファラ情報を渡さないというルールがあり、これがアクセス解析に影響してきます。
たとえば、ヤフーニュースで商品が紹介され、ネットショップにたくさんの流入があったとします。ネットショップが HTTPの場合、ヤフーからの訪問者が増えた、というのは分かるのですが、巨大なヤフーのどのページから来たのか特定や分解ができず、アクセス解析の精度が落ちてしまいます。
検索順位に影響する
Googleはインターネットを安全に利用できる取り組みの1つとして、2014年に“HTTPSをランキングシグナルに使用します”と発表しました。言い換えると、HTTPSサイトはSEOでプラスになります、ということです。
内容については、『今やるから他と差がつく! HTTPS(常時SSL)は最新のSEO対策』の中で説明されています。かいつまむと、常時SSL対応すると検索順位が上がる、というのではなく、“ネットショップなどたくさんの下層ページを持つWebサイトこそ、2階層、3階層、4階層のSEO対策に手を掛けられないページに対して効果を発揮する”ということです。SEO対策としても、やっておいて損はなさそうですね。
サイトの表示速度を高速化の恩恵を受けられない
ネットショップにとって、Webサイト表示の速さは、時には売上を左右するほど大切な要素ですね。表示高速化の手段の1つとして、HTTP/2という新規格があって、表示が格段に速くなると言われています。そして、この恩恵をうけられるのは、HTTPSのサイトだけなのです。詳しくは実は『HTTPSは速い!次世代プロトコル”HTTP/2″でサイト表示が高速化』の記事を参考にしてくださいね。
いかがでしたでしょうか。このように、常時SSLにしておかないと、インターネット上で冷遇されるシーンがどんどん増えてきています。常時SSLラボでは、Webサイトの常時SSL化の手順を実践術としてご紹介しています。ぜひ参考にして、1日でも早く、ネットショップを常時SSL化して、お客様に安心してお買い物をしていただけるサイトにしましょう。
この記事のポイント
- お客さんに安心して買い物していただくためにネットショップの常時SSL化は必須
- 2017年10月にChromeの警告が強まるのでそれまでに対応したほうがよい
- Webサイトの高速化など、将来投資にもつながる